[PR]
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
犬も歩けば穴に落ちる
12 | 2025/01 | 02 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | |||
5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 |
12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 |
19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 |
26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 |
仲がいいと周囲に思われており、表面的には気が合うふりをしているが、ぶっちゃけていえば嫌いな先輩がいた。
彼は「おまえは若いなぁ」が口癖で、坂口安吾のように生きたいと言うくせに、自分の分が悪いことには直接ぶつかるということをせず、いつも上からの目線でニヒリスティックな発言ばかりをしていた。わたしが耐えかねてそのことを指摘すればやっぱり「おまえは若いから」と言われ、直言は迂回路をとおった無数の皮肉でかえされた。そうやって「お前は若いなぁ」といいながら、なんとか自分の優位を保とうとする。そういう弱くて、やさしいひとだった。
わたしは「若いなぁ」「若いなぁ」といわれながら、腐れ縁でうだうだと交流を持っていたのだが、このたび本格的に地雷を踏まれて絶縁状をたたきつけた。「もうお前のえせ人格者っぷりにはうんざりだぜ!」とがっつりメールに書いてやり、ああ、すっきりしたと、こころ穏やかに日々を送っていた。
送っていたが、就活セミナーの帰り道、わたしは表面上だったりぶっちゃけて言ってしまいたいことができるほど、いろんな気持ちをその人に抱いていたのだということにハタと気がついた。愛の反対が無関心だという、キリスト教の教えは思いのほか的を得たものなのかもしれない。すくなくとも、そんなややこしいおもいをするくらいには、その人が好きだったということなんだろうと、慣れない黒いヒールの上でゆらゆらと揺れながら思った。
今日、家に帰ると先輩からメールがきていた。
「あなたはかわいい後輩ですから、腹なんかたてませんよ」
やっぱり嫌いだと思った。
2009.11.11 | Comments(0) | Trackback() | 未選択
忍者ブログ [PR]