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2025.01.12 |

夏から秋にかけての生息がみとめられます

 変わっているのと、はみ出しているのは違う。わたしはどちらかというと変わっている系というよりは、はみ出してしまう系だから、困っているのだと思う。
 錯乱ついでに行ってきた某デザイン専門学校の職員のひとに「だからあなたは、自分が変わった存在でいたいんでしょ?」と言われた。首をへし折ってやろうかと思った。しょせん、『変わっている系』には、不可抗力としてはみ出していってしまう『はみ出し系』の悲哀はわかるまい。
 
 「恋愛をしなさいよ」と、変わってる系代表のようなアートなおねーさまに言われたことがある。いやーけど、そんなに男に夢中になれなくて。おねーさんみたいに、一目ぼれで、とかもしたことないなぁ。たはははと笑うと、「それはあなたが精一杯生きていないからよ」と言われた。彫りの深いきれいなおねーさんの顔の皮膚が一枚、片頬でめくれあがり、歪んだ。
 あじさいが、精いっぱい咲くのだって、あたし十分尊いことだと思うわ。よく、若い子に、おねーさんみたいに生きるにはどうしたらいいですかって、聞かれるの。けどね、わたしは、やめておきなさいって言うの。だってわたしは本当に変わっていて、だから、こういう風に生きているだけで、真似したって無駄なことだわ。
 そう言っておねーさんは、妖艶ににゅうっと赤い唇をのばして笑った。
 彼女のように生きたいと、思ったことはなかった。ただわたしは、生きられるところで、生きていたいだけだった。
 
 だから、世のほとんどの人が犬だとして、どうせ『変わってる系』なんて、『毛並みの変わった犬』にすぎないんですよ。それで『はみ出しちゃう系』のひとは、蝸牛とか、バッタとか、なんかそういう犬とは別種のいきものなんすよ。だからバッタが犬に「肉を食え!ちゃんと肉を食わないなんて、生きようとしてない証拠だ!」なんて言われても、どうしょうもないんですよ。だってこっちはバッタだし。むこうなんて、ちょっとばかし変わってたって、しょせんは犬じゃぁないですかぁ。犬のくせに。犬のくせに。
 オムライスを食い、バナナジュースを飲みながら、先輩にそう管を巻くと、そうだねぇと先輩は笑ってくれた。おそらく、わたしはバッタで先輩はウマオイだった。緑色した、ほっそりきれいな夏の虫だった。




>>11月4日に拍手をくだすったお方

うわー。うわー。と、うれしくて顔のにやにやがとまりませんでした。
ちょっと、同人サイトの日記としてはどーなんですかこれーっと、自分でも思わぬこともないのですが、おほめくださり、喜びのでんぐりがえりをいたさんとする次第でありました。

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2009.11.12 | Comments(0) | Trackback() | 未選択

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