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犬も歩けば穴に落ちる
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なんとなくたまらない日で、たまらなかったから何もしなかった。
なにが悪いわけでも、なにが苦しいわけでもないのに、たまらない日だった。部屋の四方の白い壁が、おしせまり、おしつぶしにくるような日だった。
映画でも見て気分転換しようかと思ったが、映画そのものがおそろしいような気がしてやめてしまった。弱っているなぁと思うときがある。そういうときは、道の電柱にも、雑草にも、雨粒にも、箸にもお茶碗にも。なにもかもに負けてしまう。敏感肌の赤ん坊が、下穿きのゴムにかぶれるように、存在が存在にせり負けていく。そんな気がする。
個人的な解決法として、そんな日はご飯をたべればいいと思う。たくさん食べて、自分の密度を上げてしまえば、なんとかなるような気がする。だから食べようとしたけれど、今日はご飯にも負けてしまう気がして、部屋でいちばん暖かい、小さな電気ストーブの前で茶色い毛布にくるまって過ごした。
ターンタタタターン、タタンタタタターン、という出だしだけ覚えているカーペンターズの歌が聞きたくて、ぐるぐるとyoutubeのなかを探した。見つけたのは”sing”という歌で、やさしい真綿のような歌声でカレン・カーペンターが『シンプルにしてしまいましょう 長い人生の間じゅうただつづけていくために だれがつまらないと言ったって、気にすることはないのだわ』と歌っていた。そういえばこのひとは、拒食症で死んでしまったのだと思った。
なんでそんなことを知っているのかと考えたら、わたしが小学生のころ、母親がこの曲をかけながらそう言っていたのだということを思い出した。そのときこの曲を聞いたから、今でも覚えているのだった。
母親からそう聞いたとき、当時のわたしは、そういうものかと思った。今のわたしは、そんなものかもしれないと思った。
2009.11.17 | Comments(0) | Trackback() | 未選択
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