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犬も歩けば穴に落ちる
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むかし、久しぶりにあう弟と靖国神社に桜を見に行った。わたしは何も考えずに地下鉄をおりて最寄の出口から地上に出てふらふらと歩こうとしたら、表示で最寄は別の出口だと書いてあったのに、どうしてこんな遠い出口からでるのだと、とても怒られた。
いつもそんなふうに、ぶらぶらと迷子になりながら歩いていたので、あー、こういうことに腹を立てる人がいるのだなあと、たいそう驚いた。いそぐ用であるじゃなし、というのはこの場合つうじないらしい。驚いてへらへら笑ってしまった。すると弟はさっさかと肩いからせていってしまった。
わたしは、道に迷わずに目的地に着くと、どこか損したような気がする。目的に最短距離でたっすると、なにかを見落としてしまったような気がする。使えないことおびただしく、人によっては最悪の同伴者だろう。わたしも、それはちょっとどうなのよ、と思うことがなくもない。
眠らなければと思うほどに、テレビをだらだら見てしまい、予定のつんでいるほどに、あえて遠回りのしたくなる。あの、自分を裏切りたくなるような欲望というのは、どこから出てきているのだろうか。きっと「要領のよいひと」というのは、目的と自分の距離を最短で埋めることに、ためらいのないひとなのにちがいない。それは、すごく強いことで、すげーなーと思ったりもする。
しかし、彼らは要領よく、コンパクトに、一日にたくさんの予定をこなせるのだろうけれど、おそらく、迷い込んだ住宅地でほそくつづくコンクリートの階段の坂道や、その横に立つ民家の奥まった庭にうわる青い桔梗の花なんかには、会うこともないだろう。だが、気づいたところで、だからどうしたといわれてしまえばそれまであったりもするので、やっぱり、要領がいいほうが便利かしらんとは、思う。
2009.11.03 | Comments(0) | Trackback() | 未選択
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