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犬も歩けば穴に落ちる
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部屋があんまりにも整理がつかない。何故かと考えたら、ものが多すぎるからだと判明した。とにかくそこらじゅうのものを捨てることにした。捨てて捨てて捨てて捨てていたら、ずいぶんとすがすがしい部屋になった。わたしの心もたいへんすがすがしい。バッタだったら共食いをはじめそうな、殺戮にいたる過密部屋とはようやくおさらばである。
整理と言うのは、結局のところ捨てるということらしい。人員整理とか、身辺整理とか。”整理”というと、たんに並べなおし、みたいなやわらかい感じがあるが、本質のところで物事を整理しようとしたら、切り捨てるということでしかないらしい。それをしないと何も変わらない。大事なような気がして捨てられずにいた原稿やキーホルダー、ひとからのお土産のつまったゴミ袋をみながら感慨にふける。大切なものを捨ててしまうということは、さみしさの後ろがわに案外とさばさばした心地よさがあるようだ。大事なものや大切なものは、やっぱりその分わが身に抱えておくのも重たいらしい。捨てた瞬間の、無責任にもふわっと軽くなるあの開放感はやみつきになる。軽くなった分、どこか別のところへふらふらと飛んでいけそうな気がする。変わりたいと人が願うとき、いろんなものを投げ捨ててしまうのは、なるほどこのせいかと思う。
昔、わたしが大学に入ってまもないころ、お世話になった人を本格的に切った。彼がわたしを乗せようとする手のひらが、もうあんまりにも小さくなってしまっていたからだ。そのおだやかな関係性に安らぐことは、わたしの望むところではなかった。 業の深い人間ですみません、という謝罪の意味は彼には理解できないだろうから、言わなかった。ぽっかりとかなしく、ぽっかりと軽い。無責任なうえに、ずるいもんだよなぁと思う。
2009.11.25 | Comments(0) | Trackback() | 未選択
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